独特のほろ苦さが春の訪れを思わせる
フキは日本原産の数少ない野菜の一つです。朝鮮半島や中国にも分布しているが、10世紀ごろ野菜としてはじめて日本が栽培を始めました。野生のフキは今でも北海道から沖縄の野山で自生しています。一説に、冬に黄色い花を咲かせるため「冬黄(ふゆき)」が詰まったのがその名の由来と言われています。
産地は、江戸時代から早生のフキ栽培が盛んな愛知県の他、葉の直径が1m、高さ2mにも達する大型種で、野菜種でもある秋田フキを栽培している北海道から東北地方です。秋田フキは肉質がかたいため、野菜として出回ることは少なく、主に佃煮や砂糖漬けに使われる。
フキの95%は水分なので、栄養価は高くないがシャキッとした食感やほろ苦さが楽しめます。また、独特の苦みはのどの炎症を鎮めたり、胃を整える効果もあります。ちなみに葉が開く前に根茎から生えたものがフキノトウで、和え物として食する。カロテンやビタミンB群を含みます。