料理からアルコールまで活躍する万能野菜
中央アメリカで紀元前3000年以前に栽培されており、15世紀末にコロンブスがスペインに伝えました。日本へは1600年頃フィリピン・中国の福建省から琉球経由で、鹿児島に伝来し、薩摩の特産品となりました。
環境を選ばず、栽培が容易なことから、飢饉災害の対策として栽培が行われ、明治期には鹿児島だけでも数十種類の品種が存在していたそうです。現在は品種改良が進み、甘みの強い紅皮の紅アズマや鳴門金時などが多く出回っています。その他、焼酎やお菓子に使われる工業原料としての品種や飼料用の品種も多いです。
栄養面で注目すべきは、なんといっても食物繊維です。他のイモ類に比べてもその量は突出しており、ビタミンCも豊富です。大腸の働きを活性化させ、コレステロール値の急激な上昇も抑制する効果が期待できます。また、皮にはカルシウムがたっぷり含まれています。掘りたてよりも貯蔵後に甘みが増えます。